事務専門職を海士町の事業所が求めています!

隠岐國商工会

海士町で事務職の人材が慢性的に不足している!
中小事業者の経営相談や起業支援などを行う、隠岐國商工会。その事務局長を務める佐藤賢一さんに、海士町の地元企業での事務職にまつわる現状を聞きました。

「人口減少からくる生産年齢人口の減少で、海士町の事業所はいわゆる “一人親方”(労働者を雇わない企業)が多く、事務が後回しになっています。そして事務を担えるプロ人材も少ない。海士町には基本的に、いわゆる士業やコンサル業の企業がありません。島後(隠岐の島町)には税理士事務所4つ、司法書士事務所、法務局もありますが、この島にないのです。つまり、それらの職に就いてスキルアップしていく環境が無い。地元の隠岐島前高校でも商業や工業の学科がないので、それらのプロを志す若者が生まれにくいのです。目指そうと思う環境と、人材育成する環境の両方が無いんですね。
そもそも地域経済を強くするには創業してもらうことが絶対条件と言えますが、海士町は創業しやすい環境とは言いがたい。でも士業の人が入ることによって、もっと創業しやすくなるはずです」

隠岐國商工会事務局長/佐藤 賢一さん

事務のプロが少ない島事情。
なぜ、海士町に事務職が必要なのか?

「そもそも事務職とは、経営者を支えるのが第一の目的です。一般事務から経理、労務、総務、法務、いろんな種類の事務がありますが、海士町で最も必要なのは経理だと思います。
中小企業の場合、経理関連の事務は、本業を優先するあまり後回しにしてしまって決算前にまとめて作業しがちなのですが、経営のことを考えたら経理こそ、もっと大事にすべきなんです。数値データを分析することによって、節税対策や、次の営業先の発掘や従業員への研修等、長期的に見てどういうタイミングでどんな手を打っていこうかという戦略を立てられる。言わば、“攻め”の事務です。
本来、事務職を抱える目的のひとつはそういった戦略の部分であって、強い会社を目指すためにも事務は重要なんです。IT化の流れで電子申告や電子契約など新しいシステムができて法律も変わり、事務の内容も多様化していますので、それらへの対応も必要ですよね。

今、女性の感性が必要とされている

建設系の事務、飲食系の事務など、産業に応じた事務があるので、いろんな人がこの地域に入ってきてほしいですね。そしてそれぞれが得意分野を伸ばしていって、横で情報交換をして連携していけば、いろいろなことが底上げされる。それによって強い経済が出来ていきます。地域経済を強くするには各企業がお金を稼ぐだけじゃなくて、そのための環境を整えることも必要なのです。

 

それと、事務職には女性の感性がとても活かせますので、歓迎したいですね。男性は職人肌で、どうしても多重化、深掘りするほうにいってしまうけど、女性は会話することによって多角的に考え、きめ細かい発想で会社をよくしようと考える傾向があります。男性女性、互いの強みを活かせればいいですよね」

海士町だからこそ求められ、活かせるスキルとは?

「離島ならではの必須スキルはいろいろあります。例えば電話応対一つとっても、まずは方言が分かるかどうか。そもそもどこの誰だか分からなくちゃ注文が受けられないし、取り次げなかったりします(笑)。地元民とコミュニケーションを取ることに興味をもって、方言も積極的におぼえる、といったことが好きな人、できる人。自分なりのビジョンを持って、地域の顧客との繫がりを、どう工夫して面白くしていけるかを考えられるといいですね。

事務職がつくり出す企業の伸びしろ
地域に役に立っているという実感

大企業だと、与えられた範囲以外、余計なことするなっていう話になりがちですが、島ではむしろ自発的に行動することが重要なんです。想像力・創造力を働かせながら、その会社を支援する。地域の顧客と関わりを持つと、事業所の中で、こういうこともやってくれないかな?と相談されることが多く、これに答えていけば、事務職が新規事業の窓口のような存在になれる。つまり、経営者も気づかなかった切り口から会社を盛り上げていくことができるんです。そのおかげで会社の評判が上がり、新しい方向性が生まれる可能性もあると思います。
また、本土での経験が活かせるのも事務職の良いところです。本土では当たり前のレベルでも、島ではすごい価値を生むことができたり、貢献することができたりします。「地域の役に立っている」という実感が得やすいはずですし、それがまた個人のやりがいにつながっていくかもしれませんね。
ですので、事務だからといって座っているだけではなく、やっぱり現場に足を運ばないといけません。特にこういった地域では、業種ごとに、行かないと分からないことが多い。行って、話して、悩みを聞いて、自分なりに情報を取って組み立て直して、提案する。それが「ありがとう」と感謝される。僕自身、本土ではなかったこうした経験や充実感が、ここでは沢山ありますね(笑)」

離島が仲間に迎えたい
“事務職” の人材像は?

「事務職、数字を見る役割の人は、その地域ならではのことを理解しているということがすごく重要なんです。知らない地域の会計データを見ても、『なぜこうなるんだ』ということが読み解けない。これは離島ではなくても一緒ですが、実際に住まないと、その企業にとって何がベストかが分からないんです。ですから海士町に住んで、ちゃんと地域と繋がれる人がいい。海士町が好き、というのが何より大切な条件じゃないでしょうか。『海士町を知りたい』、『ここに暮らしてる人を知りたい』という気持ちから、仕事への興味が生まれていくはずですから。

〝事務のプロ〟と言っても、とにかくいろんなことが出来なきゃいけないというわけではなく、基本は自分なりにもっているコミュニケーション能力をいかに仕事に活かせるかなんだと思います。それが出来れば、そんなにハードルが高いわけじゃない。歩いていて島の人に会ったら、気持ちよく『こんにちは!』って言える。小さな事ですが、そんな関係を築けるかどうかで、可能性は全然違うってくると思いますよ」

今まで本土で培ったスキルが、海士町でさらに広がっていく。
のびのび働ける環境で、自分自身をバージョンアップできるかもしれません。

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●海士町の事業者では、現在、飯古建設(このサイトに掲載)が事務職を募集しています。

飯古建設 募集情報ページ


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